エロゲ「ものべの」 すみルート 感想

先々月の末くらいからエロゲのサブスクリプションのサービスである「Ooparts」(

https://oo.parts/)に課金し始めた。今なら月額1,000円で数々のタイトルがブラウザー上でプレイできる。

このブラウザー上というのがこのサービスのウリの一つで、アカウントにログインさえすればPCだけではなく携帯電話のブラウザーからでもプレイすることが可能なのだ。

 

 アリスソフトのゲームやONE~輝く季節~など、数本すでにやり終えちょっと満足してもう解約してもいいかなと思っていたところ、ふと目に入ったタイトルがあった。

 

それが「ものべの」だった。

 


www.youtube.com

前からタイトルは何となく知ってはいたし、「まいてつ」で有名なLoseの作品だし、絵が綺麗だし女の子かわいいし、、まぁ惹かれる要素がたくさんあった。

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マジでかわいい。私はロリコンじゃない。

 

まぁ、正直な所エロシーン回収くらいできれば満足で、別にそんなシナリオに期待はしていなかった。

 

特に何かしらのゲーム性があるわけでもなく、選択肢もルート分岐の一か所だけで、ひたすら読み進めていくだけのゲームで一見すると退屈極まりないのだが、シナリオと美麗なグラフィック、可愛らしいキャラクター達、比較的快適なUIでそれらを補っている。

 

共通ルートの粗筋は

医大生の主人公「沢井透」とその妹「沢井夏葉」は人間と妖怪とが共存する山奥の集落、茂伸(ものべの)で生まれ育ったが、透の大学進学とともに生まれ故郷を発ち、犀玉(さいたま)で暮らしていた。

妹の夏葉が帰省を嫌がっていることで6年間も帰省できていなかったのだが、どういう訳かその夏は嫌がらずに帰省することができた。

幼馴染である隣人の「有島ありす」と家守妖怪の「赤赤熊のすみ」、昔から面倒みてくれた「大傘妖の飛車角」らと楽しく茂伸での生活を送っていたが、夏祭りに神事の舞を見て妹の夏葉の身体に異変が起きる。急成長をしては元の姿に戻るのを繰り返す身体になっていた。

急速な老化と若返りを繰り返して、自己認識のブレなどにより心身ともに不安定になっていく妹の夏葉を救うべく主人公は奔走する……

 

 

ゲームの構成として、メインヒロインは「赤赤熊のすみ」、「有島ありす」、「沢井夏葉」の3人で、すみのルートは妖怪やその集落を統べる巫女らと超自然的な力を以って、その集落の人らと協力してその病気の完治を目指す、という流れで、ありすのルートは集落で唯一の医者

であるありすの父親と医学的なアプローチから完治を目指す流れで、物語全体のトゥルーエンドにあたるのが夏葉のルートである。

 

夏葉のルートはまだ途中だが、すみのルートは終わったのでその感想を書いていきたいと思う。ネタバレしかない。

 

 

ある大きなテーマで構成されていた。「大人になるとはどういうことか」というものだ。

(ありすルートも半分以上やったのだが、キャラの性質上、物語の設定上すみや夏葉ルートに比べて目劣りしてしまうのは已む無し…)

 

精神的にはそこそこ成熟しているが肉体的には成長することのない「すみ」と、精神的には未熟だが肉体が急速に成長していってしまう「夏葉」との間での対比の構造が綺麗にしっかりと描かれており、それが大きな軸となって話が纏まっている。

その中で「大人になる」というのは単に肉体的に成長することではなく、かといって物分かりがよくなったり知識を詰め込んだりするような”頭でっかち”なものではなく、真の意味での精神的成長だ。

 

では、その真の意味での精神的成長に必要なものは何だろうか。

その答えは明確で「経験」である。(勿論、その経験からあらゆる教訓を自らのものとすることができるだけの知識などは多少は必要となるが)

 

この作品内で描かれる「経験」というのは主に「夏葉の身体の異変の解決に向けての奔走」と「すみとの結婚および出産、子育て」の2つだ。

 

大人は見た目ではなく、その人の経験等が精神の成長を促した先にある成熟した状態であり

前者の経験を経て、共依存の先には破滅しかなく、お互いが“自立”することで初めて本当に寄り添い合えるのだ、と言うことに気づく。(金八先生のかの有名な「人という字は〜」ということへのアンチテーゼ)

 

そうやって一段階大人になった彼らは結婚をして出産、育児をしていく。(ここからが追加シナリオ)

実際に母親になったすみは見た目こそ変わらないものの確実に“大人”になり成長を遂げたことが実際にプレイしているとその眼差しやセリフの端々に感じることができる。

誰かと結ばれ、子をなす事というのは否応なしに大人になることを求められる。妊娠、出産、育児というのはどうしてもその地域なり相手の家族なりに協力を申し出なくてはいけない。

後腐れなく他人に協力を頼む、という行為は簡単なようで実に難しい。自らが怠惰であれば他人を不快にさせるだけだし、かといって全て背負いこむと破滅に繋がる。“自立”をする、もしくはその裏でしっかりその責任を果たす覚悟がある、それらを周囲に認めてもらう。そのプロセスを経て初めて成し得ることだ。

 

結婚して、子供をもうけ、育てていく。そうやって古来より人間は自分がコミュニティの一員である事を意識し、そのコミュニティを守る事で自らの子を守る、ということを脈々と受け継いできたのだろうと思う。(それがいまだに色濃く受け継がれている田舎では特有の相互監視のような息苦しさがあり、そのような共生というのはこのようなデメリットも生んでしまうが)

 

サブカルに浸かった人同士の会話ではしばしばマイルドヤンキーのことを腐すことがあるが、自分にはできないその生き方を貫き、納得している彼ら彼女らの方がよっぽど“大人”であり、自らの方が達観した価値観持った“大人”であると自負して彼らを馬鹿にする自分達の方がよっぽど子供であることを自覚した上で一定のリスペクトを抱えつつ彼らへの羨望、嫉妬を吐き出さなくてはいけない、と強く思った。

 

一応、現段階でありすルートの追加シナリオまでやり切ったが、正直すみルートのスケールの大きさや胸熱な展開に比べたらどうしても劣っており、ご都合主義があまりにも目立つと言わざるを得ない出来ではあったが、最後の最後の「黄色いチューリップの花言葉、叶わぬ恋」それが二重に意味を持つ所と、そこに夏葉の目覚めの理由を持ってくる所、更に「ご開祖ちゃん」というそのシナリオだけにでてくる神様的キャラが人の心を映し出す鏡であることがヒロインの「ありす」の名前ともまたリンクするのがよく出来てるなぁ〜と言わざるを得なかったが、些か説明過多であり、そのせいで少し醒めてしまうのが残念でならなかった。

 

5月10日までワンコインの500円で全部入ったセットを購入することができる。

余裕があれば是非!(oopartsでもプレイできるが、私は買ってしまった…)

www.dlsite.com

 

ちなみに、ちなみにだが、全く実のない情報だが、最後まで読んでいただいたお礼を強いてするのであれば、「このゲーム、メインのシナリオとはまた別個にさらにエロシーンが大量にあって、登場する人型のものとならほぼ全員との絡みがあるので、どんな性癖の人でも大体カバーできるし、プレイも多岐にわたるので最高である」ということくらいしかない。。。これくらいのことしか御礼できないのが申し訳ない。

蛇足だが、私は「集落の端っこにあるデカい滝を守る蜘蛛の妖怪である滝女郎が人の姿になった状態で主人公を逆レイプする」サブのエロシーンが相当お好み焼きだった。ロリコンじゃないので。(本当はその滝女郎が作ったロリ人形2人と3Pするシーンでいつもは大人しい方にイジメられるとこが最高でした。すいません。)

400円のキンメダイ

最近、朝から散歩して近所のスーパー等で材料を買って朝ごはんをしっかり作る、ということにハマっている。

というのも、「いつかティファニーで朝食を」という漫画を読んでからというものの、漫画自体の内容はそんなにグッとくるものではなかったのだが、朝ごはんをしっかりちゃんとしたものを食べる、ということがもたらす”心のゆとり”や”人生の豊かさ”は素晴らしい、ということに関しては首肯せざるを得ないと思った。

まぁ、漫画のように朝からちょっと豪華な外食をする、というのは今のご時世や学生という身分上中々しにくい。

というわけで自分でしっかり作るようにしている。(となると必然的に朝食前にウォーキングをすることになるので体重も減るのだ)

 

最近は旬のキビナゴ料理に凝っており、キビナゴを手開きしてそのまま刺身で食べたり、ユッケ丼にしたりと色々試しており、とても楽しい。(しかも安価!)

手開きばかりで三枚におろすのを最近やっていなかったのと、いい感じのキンメダイが400円ほどで売っていたため、捌きたさと食べたさで購入を即決した。

 

 

 

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 キンメといえば煮つけがやはり一番先に頭に浮かんだが、せっかく刺身用なので刺身もいいし、なんなら先日買ったバーナーで炙り刺身にしても美味しそうだと思い、身は炙り刺し、頭とかすいた腹骨と腹身や背骨は煮つけにしていただくことにした。

 

まずは鱗を落として、三枚におろす。

煮つけにする部分は塩を振って臭みとりをする(刺身用だし、鮮度よかったので霜降りとかまでしなくてもいいかなという判断)。

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身の部分は煮つけを作る間冷蔵庫で冷やしておいて、煮つけ作りに取り掛かる。

まずは煮汁だ。

先日からやっているエロゲの「ものべの」で主人公の家の””秘伝””の煮つけのレシピが作中で軽く触れられており、そのレシピが気になったので参考にした。

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やっぱものべのなんだよなぁ、、。

まずは、お酒、みりん、しょうゆ、砂糖、生姜を入れて煮立たせる。

 

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隠し味として煮つけにすりおろしたまねぎを入れる、というのは初めて聞いた。

辛くなりすぎないか不安だったが、新玉ねぎならそんなに辛くないし、小玉半分なら多少失敗しても大丈夫だろうということで入れてみた。

 

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味をみつつ、砂糖を少し加えて、またひと煮立ちさせてから魚を入れて落し蓋をする。

このサイズのフライパンで煮つけするには頭は割らないといけなかったのだろうが、面倒だったので途中で返すことにした。(その分味の染みは悪くなるが)

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煮つけている間、炙り刺身作りに取り掛かった。

身に少し塩を振り、皮目をバーナーで炙る。

炙り初体験で結構緊張した。

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どの程度炙ればいいのかわからず、また、魚の脂に引火してドッと火が上がるのでちょこちょこ炙ってはいったん消して様子見てを繰り返してみた。

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煮つけも程よく出来上がり、ご飯をよそい、みそ汁をついだら立派な朝食の完成だ。

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いざ実食。

炙り刺身:生姜醤油で食べた。程よく香ばしく、皮目の食感も味わえて美味しくはあったが、冷やす時間が欲しかった。炙りの後しっかり冷蔵庫にいれるか、氷水でしっかり冷やせばよかった。これは要反省だ。次回以降に活かしていきたい。

 

煮つけ:しっかり味が染みており、物凄く美味しくできた。特に隠し味のすりおろし玉ねぎの甘みがよく利いていた。今後煮つけ作る際は絶対に入れたいと思う。

 

捌く時間等含めて1時間足らずで2品できる。たまの休日くらい朝の1時間をこのような時間に充ててみてもいいのではないだろうか。

「優しい気持ちで目覚めた朝は 大人になっても奇跡は起こるよ」なのだ。

カーテンを開いて、朝の穏やかな日差しのやさしさに包まれながら散歩して、美味しい朝食をとったその日は不思議に夢を叶えてくれるような神様の微笑みを感じられる気がする。

映画「息もできない」 感想

最近、アニメや漫画にズブズブにハマってしまい(毎年春になるとものすごくアニメ漫画欲が高まるのは自分だけだろうか)、久しく映画を観ていなかった。最後に映画を観たのは「若おかみは小学生」の劇場版を2月ごろに友人とAmazonのウォッチパーティーで鑑賞した以来だった。

3月も終わり、観ていたアニメ(ウマ娘プリティダービー2期など)もちょうど終わり、心機一転久しぶりに映画を観たくなって近所のゲオに散歩帰りにフラッと寄った。

 

昨今ネットで殆どの映画がインターネットを介して観ることができるが、特定の明確な観たい映画が特になく、「とにかく何か気になるものが見たいなぁ」という気持ちを満たすためには、ゲオやツタヤをぶらつきつつジャケットや裏表紙のあらすじや惹句を見てお金を払って返却期限に迫られながら見るのが一番であると思う。

 

そういう形でゲオでふと目に飛び込んできた映画が「息もできない(原題:똥파리、英題Breathless)」だった。

www.youtube.com

 

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以前RHYMESTER宇多丸の「シネマハスラー」で取り上げられて絶賛されており、その存在は知っていた。兼ねてより観たいとは思っていたのだが中々観る機会がなかったからちょうどいいということでレンタルしてみた。

 

あらすじ

チンピラ稼業をやっている主人公キム・サンフンがひょんなことから女子高生のハン・ヨニと出会う。喧嘩から始まった関係ではあるが、お互い似た者同士であることを仄かに感じ合い、様々な事で傷つくたびに慰め、支え合う仲になるが………

 

 

まず、監督も務めているヤン・イクチュン扮する主人公のキム・サンフンだが、「syamu_game!?」ってくらい純粋な目をしている。まさに“こどもおじさん”だ。

 

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服装まで浜崎順平に似ているシーン

実際の役柄としても純粋で子供のまま歳をとったような人間性であり、その顔から惹かれた。

また、主人公のサンフンは終始「씨발(シバル)」、「씨발라마(シバラマ)」を多用していた。意味としては「Fuck」や「Fuck you」といった罵倒文句だ。

そのサンフンの言葉遣いや顔、終始一貫した小さくはビンタに始まり大きくは血みどろの殴り合いになる“暴力”。一見粗暴だがその根底に流れる優しさ。しかし、それを素直に表現できないささくれ立った心の表層と、伝えるだけの言葉を知らない無知さ。無知が故に生まれる罵倒文句を口にする事一つを取ってもその感情の幅の広さ。それを十全に表現しきる監督兼主演のヤン・イクチュンの素晴らしさ。

主人公1人取ってもこれだけでは褒め足りないくらい凄まじいものがあった。

 

また、サンフンとヨニの関係性も良い。

恋仲になることはないが、単なる友達より心の深いところで結びつきあっている。よく陳腐な表現として「友達以上、恋人未満」とは言われるがそれとも少し違う、言わば熟年夫婦のような関係だ。恋愛関係や肉体関係を軽んじるわけではないが、そのようなわかりやすい関係性に落とし込まずにしっかりとその複雑な付かず離れずの関係性を維持し、それを表現しきる2人。最高だった。2人でいるシーンの表情だけでも一見の価値あるポイントだ。

 

この映画を彩る俳優陣の顔が仕上がってるのもまたいい。チンピラの下っ端であるファンギュの間抜けな中にもどこかしたたかな部分が見え隠れする顔、ヨニの弟のヨンジェのキレる10代代表のような顔など。これらなくしてこの映画は成立しえない、といえるだけの説得力のある素晴らしい顔をしていた。

 

以下、内容に触れつつの感想のため、ネタバレ注意。

 

 

 

 

この映画通して、終始一貫した男から女への家庭内の暴力が描かれる。そして生まれる悲しい暴力の連鎖。主人公のサンフン然り、ヨニの弟のヨンジェ然り。

だが、サンフンの甥である幼いヒョンインだけがその負の連鎖を断ち切る心の強さと優しさを持っていた。

その優しさや強さに触れることでサンフンがよりヒョンインを愛しく、そして彼を守らねばという強い意志の芽生えを感じることで生じる感動があった。

また、腕っ節や口といった他人に見え易い部分で強い人間が実は脆くて弱く、またサンフンの幼かった妹や甥のヒョンインといった弱い人間がいざという時に見せる勇敢さや優しさ。それによって良くも悪くも周囲の意識や環境が変わっていく。それを目の当たりにすることで心を動かされる。

 

“普通”の両親が一切出てこない。出てくる家庭には何かしらの暴力があり、そのため食卓を囲む幸せな場面が殆どない。幸せな食事シーンは常に「家族以外の人間と」「外で」のシーンしかない。しかし、一ヶ所だけ家の中で食卓を囲むであろうシーンがあった。ヒョンインとヨニとサンフンとサンフンの姉のシーンだ。ところが意図的かわからないが、その食事シーンはなかった。ここはあえてカットしたのかな?

 

序盤の借金の取り立てをする場面でDV夫がいる家庭で「人を殴る野郎は自分は殴られないと思ってる。でも痛い目に遭う日が来る。そのサイテーの日が今日で殴るのもサイテーの奴だ」といいながら殴りつけるシーン。殴るお前が言うか?と思いつつもこれを身をもって知ってるのがサンフン自身であり、これがラスト付近の伏線にもなっているのがよかった。サンフンが痛い目に遭うまさにその日、その一発目が当たった瞬間から訪れるその先の不穏な空気を演出するいい伏線だと思った。

 

終始サンフンは純粋ではあるが素直ではない。素直になるシーンが大きく二か所。大きな声で笑うシーンと泣くシーン。どちらもヨニの前

父親や姉の前では中々素直になれない。

父親に対しては妹を殺し、そのせいで母親も死なせてしまった憎しみが先立ち、殺意や怒りが表には出てしまうが、服役して出所した父が姉やヒョンインと仲睦まじくゲームをしている様子や張り合いのない父親の弱り切った姿に対しての複雑な感情があるように思う。

この映画の中でも印象的なチャプターの一つである、父親が手首を切り自殺を図ったシーン。殺意に満ち満ちた状態で父親の家に押し入るサンフンが家のドアを開けた瞬間に酒瓶と猪口、そして父が倒れているその傍に死んだ筈のサンフンの母と妹とがなんとも言えない表情で佇んでいる。このワンシーンだけで父親が酒で潰れて寝てるのではなく確実に死に向かっていることがわかり、また出所後孫のヒョンインや娘と幸福な時間を過ごせているのに、やはり自ら手をかけてしまった娘やそのせいで死んだ妻への罪の意識というのは15年の服役では拭えず(社会的に罪の償いは済んでいるのに)一生付き纏っており、それに耐えられず自殺を図ったというのを簡潔に明確に表現することでより印象に強く残った。

サンフンの尽力の甲斐あって父親の自殺は未遂に終わったが、その父を背負って病院に行く間「どんなに死にたくても生きろ 今死んだら俺は…俺は… 生きやがれ 死ぬな」と叫ぶ姿は、父親が未だにその罪の意識に囚われていることに気づかなかった己の浅はかさを悔やむと同時に、憎しみの対象であるが父親を亡ってしまうとサンフンの目に物言わせてやるという生きる糧がなくなりどう生きていけばいいのかわからなくなる不安、そしてヒョンインにとっては前科者とはいえ掛け替えの無いたった1人の優しい祖父であるという事実、これらの複雑な感情が入り乱れた魂の叫びであったように思う。

 

ラストの時系列をあえて崩し、サンフンの死亡をみんなが知り悲しむシーンを、残された人たちで楽しく過ごすシーンに挟むことで、落とし所になりがちなサンフンの死を落とし所にせず、ラストの衝撃的な展開をより一層印象的なものにしているのが素晴らしかった。

その、ラストの衝撃的な展開だが、途中の示唆も考えるとサンフンが実際にヨニの母親の屋台の撤去に携わったと取るのが自然だが、兄の姿がサンフンとかぶって見えただけという捉え方もできなくはない。そう捉えるとまたオチの意味が変わってくるような気もする。

また、その最後のヨニの表情がなんとも言えない。サンフンからヨンジェに継がれてしまった暴力の連鎖を目の当たりにし、サンフンと同じような悲劇の運命に今から陥っていくであろう弟を悲しみつつ、また母親の仇の姿と重なり憎しみに駆られつつ、そのような道に弟が堕ちていく姿に無力感を抱きつつ、そしてサンフンとの悲劇的な数奇な運命の下にあったという衝撃の事実を思い出したその正に「息もできな」くなるような、そんな様々な感情が入り混じった顔に強く胸を打たれた。

 

これだけ書いてもまだ書き足りないと思わせるくらい素晴らしい映画だった。久々のいい映画体験ができた。韓国映画は「オールドボーイ」や「パラサイト」くらいしかまだ見たことがないから今後どんどん開拓していきたい。

 

 

 

 

宇多丸のラジオの評とこちらの対談の書き起こしを鑑賞後に参照したため、一部影響を受けたところもあるかな?

書き起こし(1):『息もできない』ヤン・イクチュン監督×ライムスター宇多丸 緊急スペシャル対談: ラジオ批評ブログ――僕のラジオに手を出すな!

鶏胸肉の中華スープ

 

最近、アニメ見るか散歩するか料理するかくらいしかすることがないので、料理をして時間を潰すことが多い。

特にここ2週間くらいドはまりして作っている料理が今回紹介するものだ。

このスープとローストビーフを極めるそんな春休みにしている。

 

調理工程を紹介したい。

  1. 鶏胸肉を一口サイズに切り、塩を少し振ってから鍋で煮る。
    この時、灰汁をしっかりとる。旨味もあるから~とかいうのは知らん。ある程度旨味逃げても臭みが完全にとれるほうがいいと思う。スープ料理だし。
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  2. 大根、ネギ、人参、椎茸、などを入れて中華だしの素を入れて煮る。
    顆粒だしとか塩、胡椒を入れて味見をしながら味を調える。
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  3. 食べる30分前くらいに木耳、お湯で戻した春雨、すりおろした生姜、胡麻うずらの卵をいれる。
    ごま油を垂らして香りをつけてもいい。f:id:azsxtan:20210327211148j:image

 

食べる際にラー油垂らして辛さを足しても美味しい。

今回ははしゃいで色々とふんだんに。具を入れたが、鶏胸肉とキャベツと大根だけでも美味しいと思う。春大根や春キャベツを美味しく食べられる上に安上がりでヘルシーな今の時期にぴったりなスープだと思う。ぜひお試しあれ。

9月29日 札幌への帰路

この日は朝7時くらいに自然と目が覚め、ホテルの大浴場で朝から一息つき、心を整えて網走から札幌までのロングランに備えた。

 

8時ごろ網走のホテルを出発した。18時に札幌のレンタカー屋に返却予定で、網走ー札幌間は行きと同じなら6時間で着くため、4時間の猶予があるということで中間地点である旭川でお昼を食べ、少し観光することにした。

 

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高速では少し友人に運転を代わってもらいつつ、途中でしっかり休憩をとりつつでのらりくらりとしていたが、12時半ごろには旭川に到着することができた。

 

友人の調べによると、旭川の「旭川らぅめん 青葉」というところの正油バターラーメンが北海道で一番美味しいらしい、とのことでそこに向かった。

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中に入ると中曽根元首相がそこのラーメンを食べている写真や多くの著名人のサインが飾ってあった。

 

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九州育ちということもあって、正直ラーメンは豚骨が一強とばかり思っており、次点で味噌、塩も悪くないかな、くらいで醤油ラーメンがラーメンカースト最下層だと思っていた。ところが、このラーメンは自分が食べたラーメンの中で一番美味しかった。

 勿論、旅行補正や長旅の疲労補正があるとは思う。だが、バターを溶かす前の醤油スープの控えめでもなければ強すぎもしない、程よい味わいの中にあるしっかりとした出汁の旨味、次第にバターが溶けていくほど深くなるコク。お腹いっぱいになっても後を引く味で、スープを掬うレンゲの手を止めることができなかった。

 

 

腹も満たされたところで、旭川といえば「旭山動物園」でしょう、ということで向かった。旭川市街からそんなに遠くなく、スッと向かうことができた。

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コロナ禍でかつ平日ということもあり、園内はとても人が少なかった。どの動物の前でも混雑することなくゆっくり、じっくりと見ることができた。

 

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↑ やらしい手つきのクモザル

 

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↑ イヌにか見えないくらい穏やかな白い狼

 

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↑ 溶けているマヌルネコ

 

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↑ アピールはするものの全く水中に入らないホッキョクグマ

 

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↑ トラの兄弟がめちゃくちゃじゃれあっていた。めちゃくちゃ可愛らしくてずっと見てた

 


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↑ 不動のライオン

 

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↑ あまりにも足が棒のようになって疲れ切ったため、ソフトクリーム休憩

 

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↑ 見下してくるレッサーパンダ、腕組みキツネに通ずるものある

 

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↑ 背泳ぎしかしないアザラシ

 

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↑ 近くで見たら割とキモイ顔してるキリン

 

 

そんなこんなで丁度いい時間になったので動物園を後にして、札幌に向かった。

友人も私も毎日それなりには寝ていたから大丈夫だろう、と思っていたが相当疲労が蓄積していたみたいで、限界が近かった。

最後の気力を振り絞り、どうにか札幌まで辿り着くことができた。

この旅で何度か駐車することがあったが、どれもダイナミックに突っ込むだけでよく、スペースも広かったため、発進時に困ることはなかった。ところが、レンタカー屋に返却する際の駐車では、バキバキの普通の駐車場で何度も前後に動いては同じことを繰り返す感じで泣きそうになったが、レンタカー屋の人が見かねて一発で駐車してくれ、事なきを得た。

 

ホテルはススキノの辺りであり、少し距離があったのでタクシーで向かった。

チェックインして部屋に入ったのだが、めちゃくちゃえっちい雰囲気だった。

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この時点でまだ18時半くらいであったため、時間にも余裕あるし小樽で夕食を食べることにした。

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店は普通の居酒屋ではあったものの、どのメニューもとても美味しく、特にラム肩ロースが最高だった。

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夕食を済ませ、ほろ酔いの状態で小樽の運河に向かった。

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綺麗ではあったものの、コロナのせいで灯が少なく、テレビ等の映像で見るよりも迫力に欠け少し残念であった。コロナが収まり北海道に行く機会があれば再度行ってみたい。

 

ホテルに戻り、昨日と同じくとても眼が冴えてきたのでススキノの街を徘徊することにした。

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グダグダと歩きつつ、もうひと飲みしようかと居酒屋に入ろうとしたが、時間もてっぺんを回っており、風俗以外ほとんど閉まっていた。

やむなしでたまたま見つけた山岡家に入って鬼煮干しラーメンを食べた。

めちゃくちゃゴッテリしていて重かったが美味しかった。

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ホテルに戻り晩酌をし、寝床についた。

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↑  雰囲気エロすぎ。「あかん、めっちゃカキたい」の我が田中の気持ちになった。

 

運転からの解放のせいで心が軽くなり、結局3時ごろまでチビチビ飲んでいた。

 

次は帰宅編でお会いしましょ。

 

 

9月28日 知床・網走編

前日の疲れから泥のように眠っていた。

朝8時半、ホテルを出発して知床に向かう途中でセイコーマートで軽く朝飯を買った。塩鯖おにぎり、最高に美味しかった。

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網走〜知床間は車で1時間半ほどで、少し友人に運転を代わってもらいつつのらりくらりと向かった。

生憎の悪天候で波が高く、クルーズ等も軒並み中止になっていた。

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どんな悪天候だろうが、知床五湖は行きたかったので、とりあえず五湖の方に向かった。

 

五湖に向かう途中の知床自然センターで休憩を取りつつ、自然センターの裏にある散策コースを周った。

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運良くキツネにも会えた。仕草がネコのようでものすごく可愛らしかった。

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↑ツーショット

 

フレベの滝。

見ての通り悪天候も相まって滝が霧消してた。

断崖絶壁、吸い寄せられそうになった。

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歩き疲れたので、自然センターに戻り一服した。

ミルクがとても濃厚なラテをいただいた。

 

一息ついたところで、ようやくメインである知床五湖に向かった。

知床五湖ではとりあえず昼もいい時間だったので“鹿肉バーガー”を食べた。

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ミンチにしてそこそこ味付けしたらどの肉もそんなに変わらないんやなぁ、という感想。

 

 

昼食も済んだところで、知床五湖を廻ることに。大人1人250円で講習を受けた。再三「熊が出たら危険、熊に対して謙虚であれ」と諭された。

受講後、周回コースを出発。

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↑道の周りはこんな感じ

 

友人と2人、真っ先に行き、斥候を務めた。

というのも折角だし遠目にでもクマを見たい、という欲望があったからだ。

出発して間もなく、2人でヒソヒソ話しながら歩いていたら隣からバキバキっという明らかに何かが通る音がしてお互い背筋が凍った。

 

五湖→四湖→……→一湖というルートで順に見て行った。90分ほどのコースと言われていたが、ハイペースで歩いたため1時間ほどで周ることができた。

天気が変わりやすく、雨が降っては止み、晴れ間が差してはすぐに曇り…といったもので、湖面が綺麗に映ることもなければ、奥の連峰が見えることもなかった。

自分の力ではどうしようもないが悔しいことには悔しかった。折角の雄大な自然、最高の状態で見たかった。

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↑最後帰りがけにつれて天気が良くなって行った。悔しい。

 

自然センターでは「カムイワッカの滝」に行くことも勧められた。酸性の水であり、舐めると少し酸っぱく、様々な効能があり、実際に触れ合えるとのことで人気のスポットらしい。

だが、五湖やセンターの裏を周った段階で長靴でもなければハイキング用のシューズでもない我々の靴はびしょびしょに濡れており、泥塗れであった。また、それなりに着込んではいたものの、唐突な降雨などにより身体は冷えて、コンディションは最悪。

また、これは以前アラスカでも思ったことなのだが、「雄大な自然」というのは「雄大」が故に同じ様な景色が続いてしまう。そのため、その雄大さの感動が時間と共に薄れ飽きてくるのだ。(勿論、最初にその雄大さを目にした時の感動は計り知れないのだが)

というわけで、カムイワッカの滝は諦めることにして帰路についた。

 

だが、時間もあるし折角だから、ということで本来なら9月29日に行く予定だった網走刑務所博物館を前倒しで行くことにした。

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↑入り口前ではしゃぎ倒す

 

ゴールデンカムイのパネルがあり、また作中にも出てきた白鳥由栄についても紹介されていた。

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有名な五翼放射状平屋舎房。

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中央の見張りのところから一目で沢山の雑居房の脱走の有無を監視できる仕組みになっている。また、向かい合わせの囚人同士が謀をしないように格子が斜めになっており、看守しか中を見ることができないようにできていた。そうした厳重な監視、管理の体制を目の当たりにすればするほど、ここを何度も脱獄した白鳥の超人ぶりが窺えた。

 

また、囚人たちの当時の労働や開拓の過酷さ、それなしでは北海道は今のような都市にはなりえなかった、と様々な学びがあった。

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実際に網走まで向かい感じたのは、札幌との気温差、どこか淋しいオホーツク海の白波、“端”に来たという感覚、これらからくる絶望感。当時の囚人の気持ちが少しだけ分かった気がした。

 

網走刑務所博物館は17時に閉館だったため、閉館とともに出口に向かったが、夕飯を食べるにしても早すぎる時間なので、もう一つどこか行こう、ということで調べたらすぐ近くの高台に「オホーツク流氷館」なるところがあり、展望台があるとのことだったので、ちょうど夕日が綺麗だから行こう、ということでそこに向かった。

行ってすぐ、陽が沈む前に3階の展望台に向かったが強風のため閉鎖されていた。しかし、2階にも展望台があったので2階から夕陽を望んだ。

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1階には展示場があり、流氷ができるまでや、流氷がもたらす生態系、生きたクリオネの展示。

また、流氷についての映像の上映会があり、客は自分と友人だった2人だけだったが、マニュアル通りにやってくれた。ふと、planetarianの「ほしのゆめみ」を思い出して心がじんわりとなった。

スタッフのみなさん優しくしてくれ、道外から来たから折角、ということで全てのコーナーをしっかり解説してくれた。

また、-15℃の流氷体験コーナーがあり、テレビとかでよく見るタオルを回すやつもやった。

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↑ダブルソードごっこ

 

そんなこんなで充実した1日であった。

 

夕飯は近所の焼肉屋に行った。

ご当地ビールの飲み比べセットが売り切れで頼めいのに、その飲み比べセットの内訳のビール単体は頼めたり、食べ放題セットで知床牛のコースにしたのに頼んだ後から「仕入れ困難のため道内牛を代わりに出している」ということの説明をされたり、となかなかに““やってる””店だったが、牛タンが物凄く美味しくてひたすら貪っていた。

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夕食後、私は何故か目が冴えてきたのでそのまま徘徊することにした。

近くを流れる大きな河口の港から流れに逆らう形で歩きいた。しばらく歩くと高い堤防があった。

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堤防を越えると遠くに波が打ち寄せており、波の「ゴーッ」という重低音に耳を傾けながら涼んでいた。

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ふと思い立って、浜辺に降りて波打ち際まで走りオホーツク海を掬った。オホーツク海はちょっとしょっぱかった。

年甲斐もなく一人で夜の浜辺ではしゃいでいると靴がびしょびしょになった。

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↑謎の焚き火で身体を温めつつ靴をなるだけ乾かした。

 

 

文字通り冷や水を浴びせられて、我に返りそのままホテルに戻って晩酌をした。

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セイコーマートの酢蛸と北海道の地酒。

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↑前日の晩酌で買ったサッポロソフトを冷蔵庫に入れたら凍ってしまったため解凍した。

 

次回は9月29日、札幌への長い帰路と小樽観光について記して行こうと思う。

今帰宅したばかりで疲れているので次の更新がいつになることやら……

なるはやで書いていきたいと思います。

 

9月27日後半 向 網走編

前回の記事、すなわち昨日の昼からのことについて記していく。

 

新千歳空港で友人と落ち合ってからすぐに電車で札幌に向かった。お互いに積もる話をしつつ、気づけば札幌に。

コンビニで軽くお茶やお菓子を買ってレンタカー屋に向かった。

 

久々の運転だったので、めちゃくちゃ緊張した。札幌の見慣れない街中、教習以来の高速道路、高速道路下りた後の見知らぬ山道。

一応友人と交代で運転したが、お互い久々すぎて交代中に助手席にいながらも相当お互い気を張っていた。

好きなアニソンを流しながら、口ずさみながら、、と士気を高めていたが疲れるものは疲れる。

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途中適度にSAや道の駅で休憩を取りつつ網走へ向かった。

旭川から網走に向かう途中の道路でシカの親子に遭遇してめちゃくちゃ怖かった。中学英語の教科書のNew Hrizonで習った文章を思い出した。

 

そんなこんなで13時に札幌を出て、網走のホテルに着いたのが19時。6時間も運転した。

自分は前日成田の空港泊であまり疲れが取れておらず、また友人も前日まで忙しくあまり眠れていない状況だったので、お互い相当疲労が溜まっていた。

また、網走の宿に着いて車を出た途端に襲ってくる寒さに身を硬らせた。流石に網走をナメすぎてた。

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↑ナメた格好

 

 

チェックインを済ませてすぐに夕飯を食べにいった。お互いに疲れ切っており、店を予約する気力もなければ遠出する体力もなかった。

とりあえず近所の居酒屋に入ることにした。

店の名前は「吉田三八商店」。

めちゃくちゃ大当たりだった。

疲労補正もあったかもしれないが、何を頼んでも美味しかった。

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かけつけビールを一杯。めちゃくちゃ美味しかった。

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店は海鮮メインの炉端焼き。

姫ホッケと氷下魚(コマイ)がものすごく美味しかった。とくに姫ホッケ。

普段居酒屋でもホッケは好きなメニューの一つだが、姫ホッケは格別だった。滲み出る脂、ホクホクの身、アクセントの一味マヨ、どれをとっても最高だった。

これらの最高の肴を地酒の飲み比べセットで流して心も身体も満たされた。

そして忘れられなかったのがこれだ。f:id:azsxtan:20200928230936j:image

カニ雑炊。正直お互いに疲労でそこまでお腹が空いておらず、シメとか考えてもいなかったが、ふと目に入ってダメ押しと少しの酔いが手伝って頼んでみた。

これが大正解だった。味もさることながら、カニの優しく温かい出汁が凍えた身体を芯から温めた。

先の10年くらいはこれを超えるものを探し続けるだけに生きるのではないか、というくらい美味しかった。

 

そうしてホテルに戻り、大浴場で身を清め、一人晩酌しようと思いコンビニでお酒を買った。f:id:azsxtan:20200928231404j:image

焼酎を炭酸で割り、三杯くらい飲んだところでふと意識が途切れ、気づけば布団に突っ伏していた。普段はそんな酔い方しないというのに…。相当疲れていたのだろう。

 

次は知床、網走観光編を書こうと思う。

では。