映画

この一年というより3月くらいから引きこもりがちだったこともあってアマゾンプライムビデオやレンタルショップで借りた映画を見ることが多かった。

自分自身浅い人間であまり物語に触れてこなかったから良い機会だと思って半強制的にも一週間に一回は映画を1本は見る癖をつけるようにした。途中からリストアップしたしリスト漏れもあるかもしれないが100本くらいは見た(がしかし、映画館には三回しか行ってないのはニワカの証)。

タイタニックとかゴッドファーザーなどの有名どころの映画もあんまり見たことがなかったから良い機会だった。

 

そのなかでも自分が面白かった映画を紹介していきたい。

 

1本目:シンドラーのリスト

あらすじ/第二次世界大戦中、実業家のナチス党員のシンドラーが戦争に乗じて金儲けしよう、ということで安価な労働力としてユダヤ人を雇って業績拡大していったが、戦火が激しくなるにつれてユダヤ人への迫害が更なるものになり雇われていたユダヤ人たちも強制収容されていくが、、。

 

有名中の有名どころなのに今まで幾度と見る機会を逸してきたから3時間と超大作であるが腰を据えて見るのは今しかないだろう、ということで腹を括って観ることにした。全編に渡って殆ど白黒だったから人の顔の判別が中々に難しく、1時間くらいして漸く役名と俳優の顔が一致するようになったが、判別できるようになった辺りから物語は大きく動き始めて面白みを増していって、どんどん引き込まれていった。気づいたら3時間経っていた、というくらい集中して観ることができたし、ラストシーンは涙無くして見られないだろう。

 

2本目:マジェスティック

あらすじ/舞台はアカ狩が激しかった頃のアメリカ。とある脚本家がFBIに目をつけられて法廷に召喚される前日に、車の事故で川に流され、記憶喪失になってとある田舎町に流れ着く。その田舎町で死んだはずの英雄と間違われて厚遇されるが、、。

 

主人公のピーター役をジム・キャリーが演じており成り代わりモノという題材からガッチガチのコメディになるのか、と思いきやいい意味で裏切られたいい作品であった。最後の大団円、涙無くして見られない。

ドレフュス事件について知らない人は事前に調べてから見るとちょっとした伏線に気づけるかも、、?

 

3本目:薔薇の名前

あらすじ/14世紀イタリアの田舎の修道院で起きたとある殺人事件を調査するために派遣された、主人公のアドソとその師ウィリアムがその事件を解決するべく奔走する間に2件、3件と連続して人が死んでいく、、。果たして誰が、何のために、どうやって、、?

 

サスペンスとしても宗教モノとしても恋愛モノとしてもピカイチ。最後のセリフ聞いた時の鳥肌の立ち方たるや、、。

今までタイトルを聞いたことすらなく、なんとなくタイトルとジャケット見てビビっときて勢いで見たが、人生で一番直感を信じてその場で行動してよかったと思うくらいの映画だった。物凄いメジャーな作品、というわけではなさそうだからネットレンタルでもあまりないし、小さいレンタルショップには置いてなさそうだから見つけたら是非手に取って観て欲しい。

 

4本目:市民ケーン

あらすじ/アメリカのとある大富豪、ケーンが死ぬ間際に「Rose buds(薔薇の蕾)」という言葉を残した。果たしてその言葉の意味は何なのか、それを探るべく彼の人生を振り返っていく、、。

 

1950年くらいの古い映画で全編白黒で友人に勧められるまでタイトルを知りもしなかったし、知っていたとしても敬遠して見ることはなかっただろう。あまり期待せずに見たのだが、古さを全く感じさせない作りで物凄く面白かった。まず、話の構成が今見ても新鮮だしわかりやすい。最初にそのケーンの一生を味気なくサラッと振り返って、そのあと「薔薇の蕾」にフォーカスを当てつつケーンに所縁のある3人にインタビューをし、その回想シーンが入る。最初にサラッと人生のダイジェストを示してくれているお陰でその後の回想シーンで細かな話を深く掘り下げても一切飽きることなく観ることができ、とてもわかりやすく頭に入ってきやすくなっている。「薔薇の蕾」の意味は一体何なのか、是非その目で確かめて欲しい。

 

5本目:ダンサーインザダーク

あらすじ/チェコからの移民である主人公のセルマは女手一つで大切な一人息子を育てている。彼女は大のミュージカル好きで劇団に所属しており稽古にも熱心に参加していた。ところが彼女は遺伝性の目の病気であり、徐々に失明していく中、彼女は趣味を捨ててまでも仕事を頑張り、ある理由のためにお金を貯め続けていた。貯金が目標額に達したその時、彼女にとある不幸が降りかかり、そこからどんどん事態が悪化していく、、。

 

よく鬱・胸糞映画として紹介されており、前々から気になっていたこの作品。精神的に不安定な時に観るものではないが、安定していると思うならば是非見て欲しい。音楽というものは誰にでも平等のものでどこにでもありふれたものである素晴らしさと、ミュージカルは所詮は虚構でしかなく、悪い言い方すると現実逃避でしかない悲しさ。誰かを守るための優しい嘘がどんどん自分の首を絞めることになったときに自分を選ぶのか、その誰かを選ぶのか。胸糞映画をわざわざ観る意義を考えるいい機会になった。映画だから、創作物だから誇張はしてあるものの、やはりその胸糞の要素は人間社会にありふれたもので自分の中にも小さくとも必ずある感情に起因していることが多く、ハッとさせられる。

この映画ちょっと気になる人は以下のリンクの動画を是非見て欲しい。劇中のとあるミュージカルシーンなのだが、圧巻の歌唱力と感動的な歌詞だ。

https://youtu.be/N8FJyhnC2Eo

 

6本目:顔のない天使

あらすじ/主人公のチャックは母親と姉、妹の4人家族だが、姉と妹と自分の父親が全て違う複雑な家庭で育つ。12歳の夏に名門士官学校に進学するために頑張るが、中々捗らない。ある時、その町で忌み嫌われていた顔が火傷で爛れているマクラウドが元教師であることを知り、彼に個人教授をお願いする。チャックとマクラウドは徐々にお互いが似た者であることに気づき親密になっていくが、、。

 

これも上記の「薔薇の名前」と同様に偶々見つけてタイトルとジャケットで直感的に観るべき映画だ、と思い衝動のままに観たのだが、大当たりだった。マクラウドの勉強を教えるシーンの教育の斯くあるべき、という姿がとても素敵で好きだ。年齢の大きな差はあれど、お互いに足りない部分があり、お互いにそれを補いあう。友情の美しさ、恒久さ。ハートウォーミングな作品だった。

 

7本目:ボビーフィッシャーを探して

あらすじ/7歳のめちゃくちゃ心優しい少年ジョシュは、公園でガラの悪い男たちが賭けチェスしているのを目の当たりにしてチェスの虜になる。ジョシュのチェスの才能に気づいた父親はかつてのチェスの名手だったブルースにコーチをお願いする。ブルースは「対戦相手を憎め」と教え、チェス漬けの毎日をジョシュに送らせるが、、。

 

「習い事をさせる親の子供への態度あるある〜」みたいなシーンが多く、自分の中学受験前と大学受験前ふと思い出した。親の子供への愛情が故に子供に“成功”を求めすぎてしまう。一体何が親としてするべきことなのか、それが詰まっていた気がする。また、それと同時に何かの高みを目指す者、何かを修めようとする者の斯くあるべき姿をジョシュの中に探してほしい。上記の「顔のない天使」と併せて自分が家庭を持ったら(取らぬ狸の皮算用だが、、)観たい映画である。

 

8本目:JOKER

あらすじ/治安の悪いゴッサムシティで道化師として働いている主人公のアーサーは、認知症の母親を自宅介護しながらコメディアンを目指していた。脳の障害で感情を抑制すると笑ってしまい、どこに行っても気味悪く思われていた。行政サービスで心療内科のカウンセリングを無料で受け、ある程度症状を抑える薬を貰えていたが、そのサービスが打ち切られて薬を貰えなくなるが、、、。

 

映画館に観に行ったが2000円くらい出しても安いと思えるくらい素晴らしい出来だった。主人公アーサーは激しい妄想癖があり、そのアーサーの視点から構成されているから、どこからが現実でどこからが妄想なのかの区別がどんどん曖昧になる。小説では表現できない映像作品ならではの技法だと思う。映画の2/3ほど過ぎたところで一度妄想と現実の境界の答え合わせがあるが、そこから先の部分では明確に答えが示されない。それは見た人の解釈に委ねられていると思うし、是非この作品を観た人同士で話し合って欲しい。

もっと感想を書きたいけれど、多大なるネタバレを含んでしまうのでこの程度しか書けないのが残念でならない。

マーティン・スコセッシ監督の「タクシードライバー」、「キングオブコメディ」のオマージュが散りばめてあり、時間があればその2作品を観た上で観ると更に数倍楽しめると思う。

 

9本目:サマータイムマシンブルース

あらすじ/冴えない大学生集団のSF研究会。夏休みのある日、突然部室の前にタイムマシーンと未来人がやってくる。ちょうどその日に部室のエアコンのリモコンが壊れたので、そのリモコンを1日前の部室から取ってくるためにタイムマシーンを使うが、、。

 

タイムマシンモノではよくありがちなヤラカシ過去改変をどうにかリカバリーする話ではあるが、映画の尺でふんだんに伏線を張って、しっかりと回収する気持ち良さ。晩夏の夕方のスゥっとした風の爽やかさみたいなさっぱりした映画。

序盤30分くらいは違和感が散りばめられてはいるものの、正直面白くない何が面白いかわからない退屈ドラマだと思ったが、観ていけばいくほどどんどんその序盤30分の意味がわかると共に面白さに引き込まれていく。ヴィダルサスーンを無性に使いたくなる。

ポップな感じの邦画は割とノリが寒かったり、恋愛に全振りだったり、、とあんまり好みのものがなかったが、久々にシリアス系以外の邦画で大当たり見つけたなって感じだった。

 

 

まだまだおススメしたい映画はたくさんあったが、キリがないからこの辺で終わりたい。

正直後半から面倒くさくなって煩雑になってしまった。申し訳ない。

この映画熱が冷めないうちに沢山の映画を観ていきたいと思う。

おススメの映画があればコメントしていただけると嬉しい。