映画クソレビュー 「マイノリティ・リポート」

最近暇な時間が多く、よく映画を観るので折角だから映画の感想を書き記していきたい。クソ映画レビューではなく、映画のクソレビューだ。私の拙文がクソなレビューなので決してその映画をクソだと言いたい訳ではない、ということを了承いただきたい。

 

先日、アマゾンのプライムビデオで「マイノリティ・リポート」という映画を観た。主演はトム・クルーズで監督はスピルバーグだ。ビッグネームのタッグともなれば名作であることは間違いないだろう、とウッキウキでレビューもネタバレも何もせずに見始めた。思いっきりネタバレを含むためその映画を観たい、という人はこれを読むことをおススメしない。

 

あらすじとしては、近未来の世界で犯罪を事前に察知することができるようになった世界で、犯罪を未然に防いでいる組織の最前線にいるトムクルーズ扮する警官が、身に覚えのないことで犯罪をすることを予見されて逃げながら真相をつきとめる、といった感じだ。

 

近未来のテクノロジー溢れる夢いっぱいの世界観で、よくあるタイプの犯罪未然に防ぐ系のシステムの粗が出てきてそれに主人公が巻き込まれる話だ。アニメだと「PSYCHO-PASS」が同じような話として記憶に新しい。(PSYCHO-PASSの1期のほうがこの映画の何倍も面白かった。2期については、、、何もいうまい。)

 

大まかな設定はとても良かった。犯罪を予見するシステムの近未来感。犯罪予備軍の人間の名前が木製の球に印字されて出てくるところとか、ガラスに映像を映して、その映像を手でガラスを触るだけで操作できるところ。“近”未来。近々というか現在の技術力で十分可能だが溢れ出る“近”未来感。それ以上褒めるところがないからそこだけでも褒めさせてほしい。

 

褒められる部分は全て褒めたのであとは扱き下ろすだけだ。

大きく4点ある。

1点目、無駄に近未来感出すためにマジで無駄な科学グッズみたいなのがたくさん出てくる。トムクルーズの逃走シーンに多くそのようなグッズが出てくるが本当に必要か?と思いたくなる。極め付けが“嘔吐棒”だ。字幕で嘔吐棒と出てきたときは「嘔吐棒?なんじゃそりゃ。誤訳か?」と思ったが、警棒のようなもので人を殴ると殴られた人が嘔吐する、というギャグセンスの塊みたいなグッズだった。割とシリアスにそういうのが出てきて笑っていいのかいけないのかわからなかった。シンジ君なら「笑えばいいと思うよ」と優しく教えてくれるのかな。

あと、途中で犯罪予見マシーンの理論作ったババアの家に逃げ込むんですけど、その家の周りをハリーポッターに出てきそうな触手みたいなツタで守っている設定で、近未来科学を出したいのかホグワーツ感出したいのか分からなかった。どっちかにしろや。無駄にもほどがある。

 

2点目、物語の序盤〜終盤の少し前まで主人公のトムクルーズの天敵的なポジションにいたやつが急に事件の真相に気づいて黒幕にあっけなく殺される。こういうタイプの話ではよくある展開ではあるが、その後でほとんどその話に触れられない。マジの無駄死に、犬死にである。ただのかませ犬で終わったのだった。長い物語の中でのどうでもいいポジションのやつが犬死してもアクセント程度で終わるが、映画という割と短めの時間の中でライバルポジを呆気なく殺すと物語全体がスポンジみたいにスッカスカになってしまう。なんでや。もっと掘り下げられたやろ。

 

3点目、主人公のトムクルーズ扮する警官だが、息子を誘拐されて行方不明になっている。その息子のあれこれを黒幕にダシに使われたのだが、肝心の息子の行方もその息子を誘拐した犯人も明らかにならないまま終わる。黒幕の正体よりもそっちメインでしょうよ。そっちを解決させないまま黒幕わかって追い詰めて黒幕自殺して終わり、って釈然としなさすぎてビビり散らしてしまった。もっと黒幕追い詰めるまでにその事件絡められただろ。死んだ息子が浮かばれねぇよ。マジで。

 

4点目、この物語の中枢にある犯罪予見マシーンの中身なのだが、実は超能力もった人間でした、というものだ。3人の超能力人間のうち3人が見た未来のイメージから多数決を取って多数派のイメージを投影する、というシステムだ。エヴァのMAGIシステムの方がマシじゃん。1個でも否決されたらもう一回審議しろや。しかもこの超能力人間3人のうち、2人が双子なのだ。そりゃ偏るわ。まぁでもこれが黒幕が使ったシステムの穴だからこれにあれこれ言うのは野暮なことなのかもしれないが、、。

 

個人的な総評として、なにも考えずに観ると微妙に置いていかれるし、かといってしっかり観ると粗ばかり目立つ。無駄な要素が多いのに必要な部分が欠けている。ニンニクヤサイアブラマシマシの麺なし二郎。アンパンマン見たほうがしっかりとカタルシスを得られる。キャストと監督のネームバリューに踊らされてはいけない、物語の構成や内容こそが映画の根幹なんだ、と教えてくれるいい映画なのかもしれない。是非ともクソみたいな漫画の実写化する邦画の監督に見ていただきたい。

 

暇な時間が割とあるのでオススメの映画があればコメントなりなんなりで教えていただきたいです。

今朝、久しぶりにクレヨンしんちゃんのオトナ帝国を見て大号泣してしまったので次回はオトナ帝国レビューでもしようかな。