オオカミの家 感想

オオカミの家コロニアから逃げた少女が築くコロニーの始まりと終わり。三匹の子豚のお伽話。同時上映の「骨」でもそうであったが、あくまで監督らは見つけた映像の修復に携わっただけ、というスタンスであり、別に製作者がいるという体で作られている。今作…

Sick of myself 感想

Sick of myself見られる、ということへの悦に溺れていくとても個人的には大好きな映画の1つとなった。歪な関係性のカップルで、互いに話の中心になるために競い合い、平気で物を盗んだり嘘をついたりする。そんな中彼女がある日犬にかまれた女性を介抱したと…

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい 感想

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい大学のサークル「ぬいぐるみサークル」に所属することになった七森剛志とその周囲を取り巻く人々との話ぬいぐるみと話す、という行為自体が敢えてこの表現をするならば「“大人”になりきれていない」ことの証左となっている…

月 感想

月子を亡くし、様々な事情から小説も書けなくなってしまった元売れっ子作家が、生活のためにも森の中にある重度障害者施設で働くことにするが、そこで目の当たりにする様々な出来事により価値観を揺さぶられていくが…この作品のテーマとしては大きく2つある…

サンクスギビング 感想

サンクスギビング街が恐怖に蝕まれていく感謝祭。メイフラワー号が上陸した”アメリカの故郷”、感謝祭の本場プリマスで起こる惨劇。プリマス植民知事ジョン・カーヴァーのお面を被った殺人鬼が大暴れするスラッシャー映画。流石に面白かった。イーライ・ロス…

リバー、流れないでよ 感想

リバー、流れないでよ京都の川沿いにある「ふじや」で起こる2分間のループコメディ。最近ちょこちょこあるような一発ネタ系の邦画には、面白く観はしつつもモヤモヤするポイントがあった。しかしこの映画は設定の妙があり、最後まで非常に面白く、モヤモヤす…

ゴーストワールド 感想

ゴーストワールド本当に数年前の自分を見ているようであった。仲良しのイーニッドとレベッカ。2人だけで共有できる感性(特に排他的な面白み)と社会に対する疎外感。これがハイスクール卒業とともに変容していくもの悲しさとティーンエイジャーに特有の歪んだ…

オッペンハイマー 感想

オッペンハイマーノーランの映画はダークナイトライジング以前の映画はFollowing以外見ているのだが、以降の映画は一切見ておらず、久しぶりのノーラン映画鑑賞となった。映画を見るうえで登場人物のある程度の知識と時代の政治的背景、物理学のちょっとした…

ボーはおそれている 感想

ボーは恐れているこの映画が求めているのは当事者性で、その外部にいる人間があれやこれや理解を示そうとするそういった姿勢すら嫌っているかのような印象を受けた。というのも、今作には前2作にあったキャッチーさやエンタメ感が薄いからだ。監督自身が前2…

劇場版RE:cycle of the PENGUINDRUM [前編]君の列車は生存戦略/[後編]僕は君を愛してる 感想

劇場版RE:cycle of the PENGUINDRUM [前編]君の列車は生存戦略/[後編]僕は君を愛してるテレビアニメの総集編ではあるが、再構成・再編集を以ってテレビ版にあった小難しさを排して、平易になりながらも意味を損なわない出来でただの総集編映画に留まらず…

落下の解剖学 感想

落下の解剖学 真夏の方程式の少年を思い出した。 客観的判断を取れないものに対して、2択を迫られた時に、多くの証拠を集め自らの内で咀嚼し(ここには主観が含まれてしまうが、客観には依ることができないため主観は含まれうる一方で、最終的判断以外におけ…

少女は卒業しない 感想

サルベージ 少女は卒業しない青春って痛くて儚くて脆い一生解けない呪いだと思う。作田と先生、山城と駿、後藤と寺田、神田と刹那4世。きっとこの出会いと別れを高校生の彼ら/彼女らは一生忘れることはできない。いくら時が経ってその別れの傷が瘢痕となった…

イニシェリン島の精霊 感想

サルベージ イニシェリン島の精霊”有意義”と”無意義”。詩や曲は永遠に残るが、その人の優しさといったものはその人を知る人が皆死ぬと消え行くもの。 老い先の短さと人生で何も成し得ていない、という焦りから友を切り捨てる。孤島という空間的な閉塞感と本…

1秒先の彼女 感想

サルベージ 1秒先の彼女この映画を観ている最中ふと思い出したのが、栗木京子の有名な歌である「観覧車 回れよ回れ 想ひ出は 君には一日(ひとひ) 我には一生(ひとよ)」だ。相手への好意の反響を待つ方は一日千秋の気持ちである。このような気持ちをうまくSF…

幸福(しあわせ) 感想

サルベージ 幸福(しあわせ) あまりにも気持ち悪い映画(いい意味で)。絵に描いたような”幸福”な家庭を築いている主人公フランソワが郵便局員の女を好きになってしまい不倫をする、たったこれだけの話なのにどうしてこうも気持ち悪く感じるのか。不倫男の”口の…

茶飲友達 感想

サルベージ ほとんどの人が性欲というものを持ち合わせてしまっており、生物的本能的にそれから逃れることは難しい。作中の印象的なセリフである「おじいちゃんなんて日向ぼっこでもしてればいいと思っているでしょ?」というセリフからもわかるように高齢者…

2023年 あまりハマらなかった映画 3つ

「ゴジラ -1.0」 映画館が人であふれかえるクリスマスに1人で観に行った。映画中や終了後の他の観客の様子やネット上での意見などを見るに、自分がただこの映画に入り込めていないだけで、純粋に面白いのかもしれないが、如何せん作中の粗や気に入らない部分…

Vortexとギャスパー・ノエの映画について 感想

今年はめちゃくちゃ時間があり、いっぱい映画に触れることができた。とてもいい一年だった。 何か更新しよう、しようとは思いながらも、たまにそこそこ長文で映画の感想を某所にひっそりと書いていたら満足してしまっていた。 来年、特に後半は色々と忙しく…

「紅い服の少女(紅衣小女孩)」 ネタバレあり 感想

第一章は普通によかったと思うけど、第二章は中途半端さが目立ちすぎてると思うのは自分だけ? 第一章はこれ完全にジョジョの鉄塔だよね。 まぁでも普通にそこそこちゃんと怖いし、その鉄塔の数珠繋ぎみたいなのの始まりとかもちゃんとババアが山に入ってや…

「紅い服の少女(紅衣小女孩)」第一章 第二章観てきました 感想 ネタバレなし

映画はにわかだけどまぁまぁ好きで、8月とかちょっと暇だったから映画館にもちょいちょい足を運んでいたが、9月は忙しくてたまに家で見る程度に収まっていた。10月に入ってほんのちょっとだけ暇ができたので折角だし映画館に行こうと思った。 「LAMB」や「沈…

令和3年 年の瀬

前回の更新から結構な日が経った。 下書きにいくつか溜まっているが清書が面倒という理由から書きかけのまま放置されて腐り始めてる。 書き始めから書き終えるまでのモチベーションを維持するのがとても難しい。 お金を貰う、相当数の閲覧者やコメントがある…

うたわれるものが悪い

前回、「今週見る映画決める」とか抜かしておいて、なんとまだ観ておりません。 azsxtan.hatenablog.com というのも、うたわれるものの2作目、3作目をやってたからですね。 1作目のアニメ版を観て暫くその関連のラジオ聴いたらOVA観たり曲聴いたり…としてい…

来週までに観る映画選びと最近の話

映画を観ては毎週感想を書くように努めようとしているのだが、書き言葉で記すとなると遅々として進まず、箇条書きで書きたいことを列挙してだいぶ満足してしまう。 また、ここ数日うたわれるもののアニメにドはまりしてしまい、合間を縫って観ている。2000~…

映画「ふがいない僕は空を見た」 感想

週一で必ず映画を観てなにかの感想を書くように努めている。(早速先週見た「いまを生きる」の感想を下書きに溜めているが) 今回見た映画は「ふがいない僕は空を見た」だ。 前々から見よう見ようと思いAmazonPrimeVideoのウォッチリストに入れていたのだが…

イワシの美味しい食べ方 2選

最近週に一回は映画を鑑賞しては感想を書いているのだが、箇条書きにして書きたいことを並べると、それだけで2000字から3000字くらいになってしまい、さらにそれを清書するとなると面倒が過ぎてやる気が起きなくなっている(頑張って書きます)。 だが、料理…

エロゲ「ものべの」 すみルート 感想

先々月の末くらいからエロゲのサブスクリプションのサービスである「Ooparts」( https://oo.parts/)に課金し始めた。今なら月額1,000円で数々のタイトルがブラウザー上でプレイできる。 このブラウザー上というのがこのサービスのウリの一つで、アカウント…

400円のキンメダイ

最近、朝から散歩して近所のスーパー等で材料を買って朝ごはんをしっかり作る、ということにハマっている。 というのも、「いつかティファニーで朝食を」という漫画を読んでからというものの、漫画自体の内容はそんなにグッとくるものではなかったのだが、朝…

映画「息もできない」 感想

最近、アニメや漫画にズブズブにハマってしまい(毎年春になるとものすごくアニメ漫画欲が高まるのは自分だけだろうか)、久しく映画を観ていなかった。最後に映画を観たのは「若おかみは小学生」の劇場版を2月ごろに友人とAmazonのウォッチパーティーで鑑賞…

鶏胸肉の中華スープ

最近、アニメ見るか散歩するか料理するかくらいしかすることがないので、料理をして時間を潰すことが多い。 特にここ2週間くらいドはまりして作っている料理が今回紹介するものだ。 このスープとローストビーフを極めるそんな春休みにしている。 調理工程を…

9月29日 札幌への帰路

この日は朝7時くらいに自然と目が覚め、ホテルの大浴場で朝から一息つき、心を整えて網走から札幌までのロングランに備えた。 8時ごろ網走のホテルを出発した。18時に札幌のレンタカー屋に返却予定で、網走ー札幌間は行きと同じなら6時間で着くため、4時間の…